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常に俺たちの中心にいるようで 実際は裏にいる そんな雪村ネオは ほとんど自分のことを語らなかった
仲のいい家族がいて 割と学校に近いところに住んでいる 妹が一人いる そういう一般情報は すぐに出てくるのだが 休みの日や放課後の様子が全く見えなかった
彼女は休みの日に友人と出かけることはなかった 誘いは山のようにあったが どれも断っていた 彼女からは生活感が一切しなかった
中三の夏 彼女は突然俺らの目の前から 姿を消した
前日まで何の変化もなく 誰一人理由を知らなかった 本当に突然の出来事だった 担任からは家庭の事情と聞かされたが 生徒の間にはさまざまな憶測が飛び交った
実は大病を患っていた 留学が決まった 本当は一般庶民ではない 犯罪に巻き込まれた 勝手な想像はことあるごとに繰り返され 卒業した後も集まればその話でもちきりだった
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