思い出話

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「おせーぞ!待たせんなバカ。」 『久しぶりってのに悪態つくなよ。第一俺はバカじゃない。陸斗だ。』 「はいはい、いっとけ。遅刻したくせに。」 『・・・悪かった。』 「・・・しょげんな///。バカ陸。ほら行くぞ!」 大輔に悪態をつかれる内に、同窓会のある居酒屋に着いた。居酒屋にはすでにかつての仲間が集まっていた。それぞれ好き放題にしゃべって、騒がしすぎだ。でも、なんかいいな。みんな変わってないみたいだ。 「あ!大輔と陸斗じゃん。遅い!」「ほらほら早く~」 「なに飲む?ビールでいい?」「最後になったやつ罰ゲームだろ。」 『うるせーよ。混んでたんだよ。』「お前が遅刻して俺まで巻き込んだんだろ。」「じゃ、罰ゲームで。」「いやいや。しねーよ。」 罰ゲーム罰ゲーム言ってるのは、同じパートだった伊藤 和也。ちなみに楽器はサックス(?)。教室ではおとなしいくせして、部活では俺をおちょくって遊んでばかりいた。ひょろっとした見た目だが、演奏は力強く頼もしかったな。 「なにニヤニヤしてんだよ。バカ陸」 『みんな良くも悪くも変わってないなと。』 「良くも悪くもって何よ!」「うちら美人になったよね~」 「そうだよね~」「あ、でもバカ陸はやっぱりあれじゃない?」 「あ、そうだね~うわさのあの人でしょ!」 ・・・何を言い出すのやら。悪い予感しかない。 「うわさのあの人って誰だよ!」「俺聞いてね~ぞ!」 『知らねーよ。誰だよ。』 いや、ほんとは薄々気づいちゃいるが・・・ 「そりゃね、バカ陸の初恋のあの人でしょ!」「ね~べたぼれだったもんね~」 やっぱこうなるよな。同窓会だもんな。そりゃ思い出話の餌食になるよな。 大体なんでこんなことだけ覚えがいいんだよ。男子も食いつくなバカが。 「あ~あの人ね。なるほど」「・・・あの人か。」 「そ、我らがネオ様のこと!」 こんなとこで思い出すことになるとは・・・ 俺の初恋か。複雑だな。いろいろと。
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