27人が本棚に入れています
本棚に追加
「おせーぞ!待たせんなバカ。」
『久しぶりってのに悪態つくなよ。第一俺はバカじゃない。陸斗だ。』
「はいはい、いっとけ。遅刻したくせに。」
『・・・悪かった。』
「・・・しょげんな///。バカ陸。ほら行くぞ!」
大輔に悪態をつかれる内に、同窓会のある居酒屋に着いた。居酒屋にはすでにかつての仲間が集まっていた。それぞれ好き放題にしゃべって、騒がしすぎだ。でも、なんかいいな。みんな変わってないみたいだ。
「あ!大輔と陸斗じゃん。遅い!」「ほらほら早く~」
「なに飲む?ビールでいい?」「最後になったやつ罰ゲームだろ。」
『うるせーよ。混んでたんだよ。』「お前が遅刻して俺まで巻き込んだんだろ。」「じゃ、罰ゲームで。」「いやいや。しねーよ。」
罰ゲーム罰ゲーム言ってるのは、同じパートだった伊藤 和也。ちなみに楽器はサックス(?)。教室ではおとなしいくせして、部活では俺をおちょくって遊んでばかりいた。ひょろっとした見た目だが、演奏は力強く頼もしかったな。
「なにニヤニヤしてんだよ。バカ陸」
『みんな良くも悪くも変わってないなと。』
「良くも悪くもって何よ!」「うちら美人になったよね~」
「そうだよね~」「あ、でもバカ陸はやっぱりあれじゃない?」
「あ、そうだね~うわさのあの人でしょ!」
・・・何を言い出すのやら。悪い予感しかない。
「うわさのあの人って誰だよ!」「俺聞いてね~ぞ!」
『知らねーよ。誰だよ。』
いや、ほんとは薄々気づいちゃいるが・・・
「そりゃね、バカ陸の初恋のあの人でしょ!」「ね~べたぼれだったもんね~」
やっぱこうなるよな。同窓会だもんな。そりゃ思い出話の餌食になるよな。
大体なんでこんなことだけ覚えがいいんだよ。男子も食いつくなバカが。
「あ~あの人ね。なるほど」「・・・あの人か。」
「そ、我らがネオ様のこと!」
こんなとこで思い出すことになるとは・・・
俺の初恋か。複雑だな。いろいろと。
最初のコメントを投稿しよう!