中学のこと

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雪村 ネオ は特殊な人間だった 女子特有のグループの何処にも属さず かといって孤立もせず 物静かかと思えば 男子の悪ふざけにノったり 教師に面と向かって反抗する 文武両道 スポーツもそれなりにできた 楽器も上手かった こういう子だ とはっきり言い表せない人間だった そしてなにより 誰も彼女を嫌いにならなかった 男女 年齢に関係なく 彼女と出逢った人間は彼女を好きになってしまう 特別美人ではなかったが 彼女は誰が何を求めているかよく分かっていた   俺はあの人が怖かった それでも好きになってしまう それがまた怖かった  
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