序章

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「分かった。ヒイラギさん、誘っておくね。橘君も」 「おう! よろしく頼む。 イイのが見付かるといいなー」  東海林は嬉しそうに歯を見せて笑い、ショウコはその横顔を見ておかしく思った。  学校に着くと二人は「また放課後ね」と言って別れ、それぞれの教室へ向かった。  ショウコへのいじめは、中学に入ってから沈静化されたと思われた。 小学校時代の知り合いは殆ど居なかったし、それを切っ掛けにできるだけ明るく振る舞えていたつもりだった。口下手で上がり症で、昔の吃音症の名残をまだ少し引きずってはいたものの、自分なりには会話も対人関係もそれなりのつもりだった。  二年に入ってすぐに「生理事件」が起こり、ショウコは再びからかいの的になった。
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