一億円の現実

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「あ、当たった!」   何故か興奮して、旦那がスマホから顔を上げる。 「当たったって、なにが? 昨日の晩ごはんの肉は 賞味期限切れてなかったって、 何度いったら……」   ……ええ。 昨日、冷凍庫で眠ってた肉をだしたら、 「古いんじゃないか」って煩かったから。 でも、現におなかは壊してないし。 「そうじゃなくて!宝くじが当たった!一億!」 「……一億?」 「一億」   ほら、と差し出された宝くじと、 スマホに表示されている番号を見比べた。 ……確かに。 一億当たってる。 「いや、ほら、さ。 発表された番号が間違ってる、とか?」 「……確かに。そうかもな」   何故か二人とも急に冷静になった。 でも、心臓はばくばくしてる。
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