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部屋に鍵をかけてからフィエンドは一番上の兄であるクロウを恨めしそうに見た。
「それで、お話はなんですか?」
「いいのかい? 連れ込んだあの子は」
「……今相談に乗らないと、絶対邪魔をするでしょう、クロウ兄さんは」
「当たり前じゃないか」
「クロウ兄さん……」
「だが、可愛い末の弟をみすみす他の誰かにやるのも気に入らなくてね」
「……どうして兄さん達もこんななんだ」
「フィンは可愛くて、体が弱いから、悪い虫が付かないように見張っていないとね。それに私達の相手をしてくれなくなるのも寂しいし」
ブラコン気味な兄にフィエンドは嘆息する。
この兄、そしてもう一人の兄に、父も含めて、物凄くフィエンドを溺愛しているのだ。
お陰でフィエンドは、片っ端から友達どころかお気に入りの縫いぐるみまで取られて、彼らの相手をさせられるのだ。
なまじ好意がある分、邪険にできないのがまたフィエンドには悩みの種だった。
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