キッカケ

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「‥‥やめろ、やめろよ。」 ここでいつも悪夢とも言える私の夢は覚める。 平穏で戦など無い平成と呼ばれる時代。 この時代に生まれたにも関わらず、今日まで何度となく幕末の夢を見てきた。 「…支倉(ハセクラ)、支倉。大丈夫か? って、言うか俺の講義中に寝るなんて、いい度胸してんな、お前。」 「あぁ…大丈夫っす。緋野(ヒノ)さん。」 この講義の担当教員、緋野暁助(ヒノ キョウスケ)はうなされてた私を起こして、愚痴をこぼす。 「じゃあ、この問題は? 油小路の変はいつ起こった?」 教養科目の歴史の問題を先ほどまで寝ていた頭に考えさせる。 「慶応3年、西暦で言うなら1867年。 なんなら何月に起こったかまで言いますが(笑)?」
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