22人が本棚に入れています
本棚に追加
「‥‥やめろ、やめろよ。」
ここでいつも悪夢とも言える私の夢は覚める。
平穏で戦など無い平成と呼ばれる時代。
この時代に生まれたにも関わらず、今日まで何度となく幕末の夢を見てきた。
「…支倉(ハセクラ)、支倉。大丈夫か?
って、言うか俺の講義中に寝るなんて、いい度胸してんな、お前。」
「あぁ…大丈夫っす。緋野(ヒノ)さん。」
この講義の担当教員、緋野暁助(ヒノ キョウスケ)はうなされてた私を起こして、愚痴をこぼす。
「じゃあ、この問題は?
油小路の変はいつ起こった?」
教養科目の歴史の問題を先ほどまで寝ていた頭に考えさせる。
「慶応3年、西暦で言うなら1867年。
なんなら何月に起こったかまで言いますが(笑)?」
最初のコメントを投稿しよう!