キッカケ

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緋野さん曰く、私同様に前世の夢を見る様になってから、見覚えが無い赤い勾玉のついたピアスが現れたという。 見覚えが無いはずなのに、どこかで見た記憶のある勾玉に不思議と気を引かれ、いきなり赤い光を放ったそれに誘導され、あるスマホ用のアプリにたどり着いたらしい。 そのアプリは気がついた時にはインストールされていて、アンインストールも不可能のようだ。 この不可解なアプリには勾玉の持ち主の前世の名が記されていた。さらに、勾玉は護身用の武器にもなるとのこと。 「翠がいつもしている緑色のペンダント、俺のこのピアスと同じ型のものだろ?」 「あぁ…確かに… こないだ部屋の中を片付けてて見つけたんだ。なかなか綺麗だから気に入ってたんだよね。」 「ねぇねぇ、俺のストラップも同じなんじゃないかなぁ?」 私たちのやりとりを眺めていた藤高が会話に割り込んでくる。 手帳型のスマホケースについたオレンジ色の勾玉のストラップは確かに私たちのものと似ていた。 その後しばらく3人で調べた結果、前世において、緋野さんが新撰組十番隊組長の原田左之助、藤高が八番隊組長の藤堂平助、私が二番隊組長の永倉新八として生きていたらしいという信じ難い事実を知ることとなった。
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