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「ねぇ、翠は俺たちが新撰組隊士だったって信じる?」
緋野さんからの衝撃的な話から数日、藤高と私は所属サークルである剣道部の道場で練習をしていた。
「半々くらいかな。お前は?」
「俺は緋野さんや翠みたいに記憶が無いからなぁ。ちょっと信じられないや。
それに、あのアプリとか誰が何の目的で開発したんだろうねぇ。」
藤高の言うことは最もである。
そう言いながら、彼は私に向かって竹刀を撃ち込もうとした。
その瞬間、道場の隅に置きっ放しになっていた、藤高のスマホケースに付いた勾玉がオレンジ色の光を帯びながら、彼に向かってくる。
「いってぇなぁ…もうっ?!」
「大丈夫か?藤高。」
怪訝な顔をした藤高は私が求めていた返事とは全く異なる言葉を返した。
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