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「激しくされるのが好き?それとも優しく?」
いつものようにふらりとオフィスに現れては、執拗に責めたててくる優一。
「専任の話は受ける---だからこんな真似は。ぁっ」
「久しぶりだから、手加減出来ないかも」
ベルトのバックルを外す音が聴こえ、性急に熱を当てられる。
「あれから何人の男にここを許したの?それともコッチを使って女を悦ばせたの」
はち切れそうな自身を強く刺激され、腰が蕩けそうになる。
「違……俺は誰とも」
「じゃあこれは何だよ!“大切な人”を守るために弁護士になったんだろっ」
常に机の上に置いてあったその小箱を掴み、優一が床に叩き落とす。
「オレはずっとセンセの事想ってたのに……あれ?」
「見るなっ」
箱から飛び出た中身を見られ、羞恥で顔に熱が集まる。
「これ、あの時壊れたメガネ?」
箱の中身は、あの日優一が握りつぶしたあの眼鏡。
「そうだよっ。女々しくて悪かったな」
自分から離れて欲しかったくせに、優一の事を忘れられなかった。
「じゃあ“大切な人”ってオレの事?」
「そうだよ。くそっ」
恥ずかしさのあまり、机に伏して顔を腕で隠す。
耳まで真っ赤になってるであろう自分を思い、泣きたくなった。
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