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…なんで。
なんで、俺たちは、こんなにも近いんだろうな。
あまりにも近すぎて…
どうしていいのか、わからない。
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「てめぇ、昨日俺の部屋のゲーム勝手に取ってったな!」
「いいって自分でいってただろ、覚えてないのか!」
俺、池松雫(いけまつしずく)と山本恵吾(やまもとけいご)は、家がお隣さんである。
自分の部屋のベランダと恵吾の部屋のベランダとの距離、1メートルと少し。
違法建築じゃないかと思うくらい近い。
そして、俺たちの付き合いは小学生から。
…世間でいう、幼馴染み、もしくは腐れ縁。
「いいって言ったかもしれないけど、朝起きてなかったから驚いたんだよ!」
「お前、途中で寝こけてたからだろ。そのせいで、俺はお前の窓の鍵をしめる羽目になった」
「…玄関から帰ったのか」
「当たり前だろ、お袋さんに迷惑かけちゃうしさ…サンダル、帰ったら返すわ」
「…お前ら…」
俺たちの会話を聞いていた友人の遠藤徹哉(えんどうてつや)が、呆れたように口をはさんだ。
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