好きというには近すぎて。

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「うるさい、2人とも、そこでじゃれ合うな」 そう言って、ふざけて徹哉に掴みかかっていた俺を、恵吾が引きはがした。 「いっつもうるさいのは、雫と恵吾だけどね」 「「徹哉だまれ」」 「うわぁ、シンクロ…あ、そう言えば」 徹哉がスマートフォンを取り出し、何か操作し出した。 「もうちょっとで見えるらしいよ?流星群」 「「流星群?」」 「うわ、またシンクロ」 いやいや、今のは誰でも言うセリフだと思う。 突っ込みたかったけど、徹哉がスマートフォンの画面を俺たちに見せてきたからとりあえず黙っておいた。 「…ふぅん…おうし座流星群…」 「そうそう、この時期に見えるらしいよ?」 「へぇー」 「…10月中旬から11月下旬…」 「流星って、流れ星?だよね、だから雫、杏莉ちゃんと付き合えますようにってお願いしたら?」 「そっか、そうだな!お願いしなきゃだな!」 「3回だぞ、願い事言うの」 「んなのできるかなー」 多分、徹哉は冗談めかして言ってたから、きっと本気でそう言ったわけではないんだろう。 俺も、そんなこと本当にしようとは思わなかったし、家に子供の頃買った望遠鏡があるとはいえ、そこまで関心があるわけではなかった。
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