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「マオ全然食べてないね。お腹空いてないの?」
半分に分けたベリーをほとんど残したままマオは寛いでたけど、声をかけると嫌そうな顔で見られた。
《念話を使えと言っただろう》
ふふふ。言われると思った!
しかし俺は閃いたのだ。
《猫に話しかけてもおかしくない内容なら問題ない!》
《お前がうっかり声に出す未来しか視えないのだが? 咄嗟に切り替えできるのか?》
まったくもって反論できない……。
《それ以外にも念話をさせている理由はあるから大人しく念話を使え》
《他の理由?》
《そうだ。魔力を身体に馴染ませる》
マオが言うには魔力で念話を使っていて、念話を使う事で魔力自体と、使われる事で魔力の影響をコントロール出来る力を上げる。
どちらも元々備わってるけど、生まれたばかりだから慣らした方が良いらしい。
確かに念話は許可がなくても使えるし、創造と同じようにやれって言われたから別物だとは思ってたけど、これが魔力だったんだなー。
《意識して使えば違いもわかるだろう》
言われて、念話と創造を交互に使ってみると結構違いがある。
魔力は少し身体が熱くなるような感覚。
創造は特にこれって感覚はなくて、しいて言うなら無機質な感じ……かな?
そうそう、マオは俺の魔力を吸収するとあまり食事をしなくてもいいみたいだ。
それって便利!
いいなーと羨ましがってたら、お前も大概便利な身体だぞとマオが言った。
《気付いてないようだがお前には排泄が必要ない。全て吸収するからな》
何それ怖っ! いや確かに便利だけど!
しかも吸収しちゃうって事はあっという間に太るんじゃ……。
《そして余ったエネルギーは魔力に変換される。逆もできるがやり過ぎるなよ。死にはしないが身体を痛める。だからなるべく食事はした方がいいだろう》
《身体を痛めるって? 病気になるの?》
《いや、単純に痛みを感じるだけだ。ただ、やればやるほど痛みは強くなる》
うん。素直にご飯を食べよう。
どれだけ痛いのかはわからないけど、マオが食べた方がいいって言うくらいだ。
ちなみにマオは魔力でできてるようなものだから、いちいち変換はしないらしい。
……やっぱりマオの方が便利。
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