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服を着てから、今までずっとノーパンだった事に気付いて慌てて造った。
パンツないと収まりが悪いよね。
何がとは言わないけど。
「羽織るものも必要だな。そのままでは無防備すぎるぞ」
確かに、下は長いズボンとブーツだからいいとしても、上はランニングだから腕が丸出しだ。
パンツに続き抜けてるなぁ。
「んー。とりあえずローブでいいかな?」
シンプルなフード付きのローブ(もちろん黒)を造ったら、またもマオにダメ出しされた。
「許可はしたがそれでは動きづらいだろう」
呆れた目で見られた上にため息まで吐かれてしまった。
足首まであるローブは、いつか裾を踏んづけて盛大にこけるだろう。
ちょっと考えればわかる事なのに思い付かなかった。
抜けてるのはもう俺の仕様なのかもしれない。
連続のダメ出しにヘコんだけど、創造で修正ができるからまだ挽回できる!
修正できるからマオも許可したんだろうけどさ。
とにかくこれ以上呆れられる前にどうにか直さないと!
「あれ?」
どんな風に修正しようかと悩んでいたら、ローブの丈が足首から膝上まで縮んでベルトまでついた。
えっ、無意識に直した?
そこまで創造ハイスペックなの?
それとも俺が凄いの?
ローブを見ながら首をひねっていると、マオがニヤニヤしてこっちを見ていた。
「修正なら俺だけでもできるからな」
俺じゃなかったー!
恥ずかしい!
でも得意気なマオ可愛い!
「これで防具は揃った。次は武器を造れ」
悶えていた俺に構わずマオから次の指示が出た。
「武器ってどんな?」
「ああ……お前は使った事がなかったな。とりあえず武器で創造してみろ。駄目なら駄目で手はある」
考えても仕方ない。
駄目でも手があるなら、とりあえず言われた通りにやってみよう。
目をつぶり、ふわふわと武器をイメージしているとマオから許可が出た。
「ふむ。悪くないな」
武器ってだけの曖昧なイメージでも造れるんだなぁ。
マオも納得してるようだし、成功と言ってもいいだろう。
子供の身体に合わせたのか、やや小さめな剣だ。
なぜか盾に革手袋まで装備されているがサービスなんだろうか……。
自分の能力にまで信用されていない気がして複雑だけど、フォローしてもらえるのはありがたい。
ここは素直に感謝しておこう。
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