独りじゃない

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決まったのなら外へ出るぞと言うマオの後を追い、ピンと立った尻尾を眺めながらトボトボと歩いているといつの間にか洞窟を抜けていた。 浅い森というマオの言葉通り、所々空が見えて風もそよいでいた。 「んー! 外に出ると気持ちいいねー。中にいた時は気付かなかったけど」 伸びをしながらマオに話しかけると、返事の代わりにため息を吐かれた。 外は好きじゃないのかな? 《外に出たら他人に聞かれぬよう、念話で話すと言っておいただろう》 「うひっ」 急に頭の中にマオの声が響いて妙な声が出てしまった。 頭蓋骨がくすぐったい。 たしか剣を振っていた時に聞いたような気がするけど……集中し過ぎて聞き流していたようだ。 「ごめん、もう1回説明してもらえるかな……」 《仕方ない。よく聞け。まず念話したい相手へ意識を向けて繋げるイメージをしろ。それから頭の中で話しかければ伝わる》 マオマオマオマオ……。 お、なんかホワッとしたぞ。 繋がったかな。 《あー。テステス。マオさん聞こえますかどうぞー。こちら頭がくすぐったいです》 自分から念話する時は大丈夫みたいだ。 《成功したな。基本的に念話で話すようにしろ。頭はその内慣れるから緩んだ口をどうにかしろ》 慣れるらしい。良かった。 このままじゃいつか不審者としてマークされかねない。 ホッとした事だし、念話を続けよう。 《マオー。これからどうするのー?》 外に出ると言われたけど、これからの予定は聞いてなかった。 《お前の好きにしろ》 好きにしろとは??? 詳しく聞いてみると、特に予定もやるべき事もないらしい。 困っていたら何をしようが共にいると言われたお陰で不安はさっぱり消えた。 俺って単純。 しかし改めて考えてみても名案は浮かばない。 ひとまず散策でもするかと歩き出したとたん腹の虫が鳴いた。 腹ペコで死ぬのは困ると洞窟から出たのに忘れてたな。 この辺には食べ物は無さそうだ。 困った時のマオ頼み! ……探してもいないうちから聞くなと怒られました。 ついつい甘えちゃうから気を付けよう。 うろうろと探していたら、少し開けた場所でベリーの木を発見。 小さいけど数はあるし、腹の足しになるだろう。 マオにもいくつか渡して、一緒に食べた。 あ、これが人生初のご飯だ。 美味しい物で良かった!
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