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ここは、炸羅牙悪禍高校の職員室。
朝からいるような先生は少なく
特に夏休みともなると、更に少ない。
「おや、伊達先生。お早いですね」
「ああ、ネ申風(ねじかぜ)先生
ですか。おはようございます」
「おはようございます。
どうしたんですか、こんな早くに?」
伊達先生は普段、荷物を置く程度に
職員室に立ち寄るのだが、珍しく
早く出勤している事に驚くネ申風。
時間は朝の9時を少し過ぎた辺り。
サマータイムの影響で、今は朝の8時
だと想像して貰って構わない。
「今日は杏奈が来るんですよ」
「杏奈というと、あのO☆SUの?」
「劇に学校の行事だからって事で
強引に参加して貰っているんですが
あの娘は完璧主義者でしてね…
こうして台本を読み込んでおかないと
揚げ足を取られてしまうので…」
「ははは…あの娘らしいな…
そりゃ伊達も必死になるワケだ」
ネ申風先生も一年を担当する凶師だ。
ネ申風も、授業で杏奈に揚げ足を取られて
困ってしまった事があったようだ。
「…懐かしいですよね」
「どうしましたか?」
「僕ね、高校の時は演劇部だった
んですよ。この歳になって台本の
読み込みをするなんて思ってません
でしたよ…」
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