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どう考えても私の方が悪いのに、気を遣わせてしもてるやん。 慌てて小さく頭を振りながら笑顔で答える。 「いえ、大丈夫です。こちらがご迷惑をおかけしたのに、ご心配をおかけしてすみません」 「へえ……」 男の人は、私を見下ろしながらちょっと驚いた顔をする。 なんやねん、じろじろ人の顔を見て! 珍獣でもみるその目線は何? そんな私の声がダダ洩れやったんか、男の人が微笑みながら口を開いた。 「ああ、ごめん。若いのに、きちんと挨拶するなあって思って」 「へ? いえいえ、そんな滅相もない!」 「ぶっ。滅相もないって……中学生が使う言葉ちゃうやろ」 笑いを噛み殺しながらの言葉に、カチンとくる。 こっちはおばあちゃんに常日頃言われた通りに言うてるだけやし! しかも中学生って! 顔が平安調なうえに、イマドキ女子高生としては失格といわれるノーメークやし、幼いとは言われ慣れてはいるけど……。 そやけど初対面の人に、中学生断定されるのは気分悪い。 失礼なあんちゃんやで、ほんま。 あ、心の中とはいえ、あんちゃん呼びしてもた。 そやけど、この人はあんちゃんで十分やろ。 一瞬のうちにあれこれ自分のなかで理屈をつけながら、相手に向かって口を開く。 「失敬な。高校生です!」 「わははっ!」 憮然と言い返した私に向かって、相手は本気で大声で笑い出した。
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