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「うおっ!びっくりしたあっっ」 扉を開けた人物と一緒に驚いた声を出す。 「なんだ、おまえかよ。」 これまた声がハモってしまう。 「祥、今頃何しに来たんだよ。 もう5時間目始まるぞ。」 「俊、5時間目出んの?」 俺の双子の兄貴、深崎 俊(ミサキ シュン)。 中学に入ってからお互いニョキニョキ順調に背が伸びている。 全くもって同じ顔に同じ背格好。 髪型も一緒で目にかからない程度の前髪。 少し色素の薄い髪色に二重の目。 これは母さん似。 外見はそっくりだけど、中身は正反対に近い。 俊は俺と違って真面目。 曲がったことが嫌いでなんでもきっちりしている。 だから、その逆で俺は自由奔放。 嫌なことは嫌だし。 自分が本当にしたいことしかしない。 名前は祥。深崎 祥(ミサキ ショウ)。 俊は俺の問いかけにハーって大きく息を吐き出した。 「当たり前だ! もしかしてサボる気か?」 「……まあ、そのつもり……」 苦笑いで答える。 「……彰もサボるってさ」 呆れた表情と声音でそう告げた。
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