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「……今はリグと名乗っていると」
「いえ、本名です。僕の本体の前まで来たので、たまにはこういう趣向も面白いかなって」
「本体? ……まさか、今まで僕が戦っていたお前は……」
「全部砂でした」
「そして今ここに居るのは?」
「本体ですよ?」
「ほう?」
そこで、にまぁーと笑ったウィルに、リグは嫌な予感がした。
案の定、ウィルの口から放たれた言葉といえば、
「今まで散々、散々、散々、色々とやってくれたな」
「……良いじゃないか。ちょっとくらい遊んだって」
「遊び? アレが?」
「そうだよ。それに僕だって自分の身を守るためにはああするしかない部分もあったし」
「へぇ、黒幕だったり、僕を惑わしたり、挙句の果てに僕を襲おうとしたり……」
「えー、だってウィル、可愛いしその負けん気の強さが、こう、ぐちゃぐちゃにして支配してやりたいという欲求にからせるというか……」
「その、アースレイみたいな言動は止めてもらえますか?」
ウィルはここで初めて嘆息するように告げた。
この前もベットの中で……思い出すとウィルは、怒りがこみ上げてきた。
そんなウィルを見ながらリグは、
「……なんだ、昔から狙ってたあいつにウィルは落ちちゃったんだ。つまんないなー」
「……それで、どうしてやろうか。今まで僕に、何をしたかリグは覚えているかな?」
「僕はウィルに何をしたかな?」
悪びれない笑顔でそう答えるリグ。
それとは対称的に、更に怒ったらしいウィル。と、そこでシズが、
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