第1章

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 そしていつものように月曜日の朝が来た。 「フィン、おはよう」 「シズ、おはよう」  そう唇を重ねるいつもの朝。  今日もまたフィエンド一緒にいられる、そう思うとシズは幸せな気持ちになった。  こんな日々がずっと続いていけば良いなと思いながら、ふとシズの中で不安が過ぎる。  “神殿”は動くだろうか……いや、このまま行けば動く。  その微かな線が幾つも絡み合い、エルフィンに続いているのを感じて、シズはすっと目を細めた。と、 「シズ? どうしたんだ?」 「ううん、何でもない。ただ、幸せすぎて不安になっちゃって」 「……シズ」 「フィンがいるから満足なはずなのに、こんな夢みたいな事……フィン?」
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