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「あ、あの、ウィリアムさ…」
「よかった…」
ウィリアムの声がわずかに震えていることに気が付く。
聞いたことのない声の調子に、エリーは申し訳なさで胸がいっぱいになった。
おそるおそる腕をウィリアムの背中に回す。
「…ごめんなさい」
ウィリアムは息を切らしていた。
腕の中の心地よい温かさも、走って来てくれたことによるものだろう。
先程までの孤独感が一気に解消されたような感覚。
堪えていた涙は、頬を伝ってウィリアムの服に滲んでいった。
妖精の少年は、どこか安心したような、気まずいような表情をして後ろで二人を見守っていた。
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