第一話「はじまり」

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涼しい風を頬に感じ、重たい瞼を上げる。 ぼやけた視界で見つめた先にあったのは白い縁の窓。 薄い水色のカーテンがほのかになびいていた。 ゆったりと起き上がり、蜂蜜色の瞳で周りを見渡す。 意識がだんだんはっきりしてくる。 しかしそんな意識とは裏腹に、現状は全く把握できていなかった。 ここは一体どこなのだろう。 大きな本棚に、シンプルな机。 そして今寝ていたであろうベッド。 ――見覚えのない部屋だ。
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