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「あら、起きたのね」
突然聞こえた声にびくっとしてしまう。
扉はよく見える位置にあるというのに、扉の開く音に気が付けなかったようだ。
部屋に入って来たのは群青色の髪と瞳が綺麗な女性だった。
短く切られたその髪はその女性の明るさを象徴しているようで、実際に明るい笑顔をしていた。
この部屋の主だろうか。
「気分はどう?」
「あ……えと、悪くないです…」
久々に声を出した気がする。
そのせいか少し掠れてしまった。
なんだか気恥ずかしくなり、俯く。
髪がかすかに顔にかかり、ふわりと潮の香りがした。
無意識にその亜麻色の髪に触れる。
感じる違和感に、本当に自分の髪なのかと疑問を抱いた。
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