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温まった身体を拭き、無心でアンナの用意してくれた服を着る。
先程まで寝ていた部屋のカーテンと似た、薄い水色のワンピース。
サイズは不思議とぴったりだ。
新しい服というわけではなさそうだが、アンナの服とも思えない。
ふっと息を吐いて、髪の水分を拭き取った。
「あ、あの、お風呂ありがとうございました」
先程までいた部屋ではなく、アンナに言われた部屋におそるおそる入っていく。
お風呂で温めたことで喉が潤ったのか、声はもう掠れてはいなかった。
部屋はどうやらリビングのようだ。
誰もいない。
しかしそのリビングから繋がっているところから水の音がした。
キッチンと繋がっているのだろうか。
ゆっくりと足を進める。
そこには見知らぬ男がいた。
烏羽色の髪に、吸い込まれそうなくらい深い闇のような瞳。
「っ!」
目が合い、思わず立ち止まってしまう。
男はテーブルで珈琲を飲んでいた。
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