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魔力とは、全ての物質、生物、自然現象にある『恵み』や『恩恵』にさえ宿る生命力を指す。倭国は太陽の光に魔力が宿り、輝夜国では月光に魔力が宿る。
そして、人間の体内においてもごく僅かな魔力を秘めている。魔力の才能は生まれつき体内に宿る魔力の量と質で決定する。
しかし、もし日光や月光等の恵み無しで、体内の魔力のみで魔法を扱うとなれば、それは自身の生命力を削る事と同義である
容易に命の危機にさえ発展しかねない。
「『天の理の声に重ねし我が思ひ、彼の戒めを解きて散りける』……」
「タケル様! なりません、それ以上の詠唱は……」
「日本へ辿り着いたのならば、まずは浅間町を目指せ。そして、そこに住まう出雲という男を訪ねよ……開門せよ、"ゲート"!」
"ゲート"。それは、倭国の誰も知らない魔術門。魔法も、恵みも存在しないただの人間が跋扈する異世界、地球へと続く一方通路。
「ゆけ、必ずや……我ら倭国に、栄光を……も、たらさん」
「エーファ様、行ってください!」
「こ、ここはもうっ! 長くはもたな――ぐ、あぁぁッ!!」
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