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「フン、他愛ない……ようやく追い詰めたぞ、御姉様よ」
「黙りなさい、貴女は最早妹でも何でもない!」
「タケルは……そうか。それがタケルが遺した物"ゲート"か。柊斗、壊せ」
「『鎖竜』」
『ギュシュオオオオン!!』
飛び出す轟音と互いに擦れ合う金属音と共に、地面を突き破り現れた高層ビルのように巨大な化物。それは、柊斗が使役する全身鎖で構築された蛇の魔獣。『鎖竜』であった。
鎖竜の持つ無機質な藍色の双眸が"ゲート"を視認すると、鎖竜は一瞬身を縮めた。
次の瞬間にはその巨体からはとても想像がつかない爆発的な猛スピードで"ゲート"に向かってミサイルのように頭から突進した。
"ゲート"と鎖竜が衝突した瞬間、激しい轟音と、まるで目の前で特急列車同士が衝突を起こしたような強い衝撃波が巻き起こる。
稲妻が走り、空気がビリビリと振動した。
『ギュィアアアアアアアアァァァァァ……』
やがて、鎖竜が苦しそうな鳴き声を揚げながら塵のように消滅していった。
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