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「最高防御魔法と自動再生魔法を施してあるみたいだな……なるほど、これは僕では壊し切れないな」
「異世界ヘノ門ヲ現世ニ繋ギ止メルダケデモ膨大ナ魔力ヲ必要トスルハズダガネ、本当ニ大シタ帝ダヨ」
「良い、問題は破壊できぬという点のみじゃ。どのみち、御姉様はその"ゲート"をくぐることはできぬ」
「それは、どういう……?」
「連れてまいれ、陽菜よ」
「了解シタ」
「ぐあッ」「うぐッ」
陽菜が連れてきたのはこの戦いにより捕縛された満身創痍の男性倭国兵2名だった。
「……ッ!」
「この者らの命、惜しくはないか? 国の主は死んだ。戦争はまもなく終わるだろう。これ以上は無駄な血だ……わかるかの?」
「くっ……」
「主の返答次第ではこの者らの命、助けてやらんでもない……さぁ、星の書はどこじゃ?」
「……エーファ、様」
その時、風で吹かれそうなほど掠れた声で口を開いたのは、捕虜の兵士だった。
「ほう? 命乞いか。構わぬ続けよ」
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