第0章 プロローグ

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「ジャール様、敵の大魔法・メテオにより我が軍先鋒隊が甚大な被害を受けております」 『奥の手を使うぞ。後方支援暗黒魔法師団に詠唱を開始させよ』 「はっ」 「『天にまします我らが神に、かしこみ願い奉る』」「『天の理の声に重ねし我が思ひ、夜とみまごうやぬばたまの闇』」「『陽を滅し封じ給え』」 「「「グレイス・ダークネス」」」  一方、輝夜国のもたらす暗黒魔法は倭国の心臓部にあたる太陽を沈め、倭国の防衛機能を瞬く間に沈黙・無力化させる事に成功。 「今だ! 敵本陣まで突っ走れ!」 「うおおおぉぉぉぉーーーー!!」  激しい攻勢に転じる輝夜国軍に対し、未だ状況を把握できない倭国軍は混乱に陥っていた。 「……!? ば、馬鹿な。なぜ魔法が使えないんだ!?」 「に、逃げろ! 門を閉じるんだ、早くッ!!」  魔力の源を絶たれた倭国は為す術もなく制圧されていき、もはや決着はついたかに見えた。 「ジャール様、捕虜を連れてまいりました」 「……降参だ、太陽が無いと抵抗しようもない」 『フン、殺せ。一人の生存者も残すな』 「はっ」  圧倒される戦況下ではあるが、倭国は未だ諦めてはおらず挽回の機を神聖なる巫女姫「エーファ」に託した。
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