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「ジャール様、敵の大魔法・メテオにより我が軍先鋒隊が甚大な被害を受けております」
『奥の手を使うぞ。後方支援暗黒魔法師団に詠唱を開始させよ』
「はっ」
「『天にまします我らが神に、かしこみ願い奉る』」「『天の理の声に重ねし我が思ひ、夜とみまごうやぬばたまの闇』」「『陽を滅し封じ給え』」
「「「グレイス・ダークネス」」」
一方、輝夜国のもたらす暗黒魔法は倭国の心臓部にあたる太陽を沈め、倭国の防衛機能を瞬く間に沈黙・無力化させる事に成功。
「今だ! 敵本陣まで突っ走れ!」
「うおおおぉぉぉぉーーーー!!」
激しい攻勢に転じる輝夜国軍に対し、未だ状況を把握できない倭国軍は混乱に陥っていた。
「……!? ば、馬鹿な。なぜ魔法が使えないんだ!?」
「に、逃げろ! 門を閉じるんだ、早くッ!!」
魔力の源を絶たれた倭国は為す術もなく制圧されていき、もはや決着はついたかに見えた。
「ジャール様、捕虜を連れてまいりました」
「……降参だ、太陽が無いと抵抗しようもない」
『フン、殺せ。一人の生存者も残すな』
「はっ」
圧倒される戦況下ではあるが、倭国は未だ諦めてはおらず挽回の機を神聖なる巫女姫「エーファ」に託した。
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