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紗愛は、何だか分からなかったが、何となく賢い奴なんだと理解した。
「し、真社会性…」
鷹丸の呟いた言葉に、森本は頷く。
「そう。蜂や蟻のような性質を、ゾンビが持っていることが分かった。地下に巣を作って、女王が大量のゾンビを産む。女王ゾンビは、だいたい3000体に1体だ。働きゾンビ…とは違って、女王ゾンビは真っ赤な目をしていた…。そして、体は象くらいの大きさだった。脳を調べた結果、働きゾンビは殆ど意識がないが、女王ゾンビは人間に近い前頭葉の発達があり…、意識があり、論理的な思考も可能だと…、考えられた……」
舞斗や双子、共成、鷹丸らは、森本の話に聞き入っている。
「働きゾンビは、ある程度の栄養を蓄えると、巣に帰って、女王ゾンビに自分ごと食べてもらっているようだ。そのように行動するよう遺伝子に書いてある感じだ…。そして、女王ゾンビは一定以上の栄養を蓄えると、次の女王ゾンビを産む。次の女王ゾンビは、別の場所でまた巣を作る。そうして奴らは増えるようだ…」
ジョンが頷きながら、森本に言う。
「そ、そうか…、分かった…。でも、そもそもここは、どこなんだよ?」
森本はまた頷きながら口を開ける。
「今のところの仮説は、私達は全員…、タイムマシンで未来に送られたということだ…」
凛唯らは驚いて息を呑んだ。
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