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コイツとの対決
今日はいつもと違った。
アイツはいないようだ。
(いないが、走って帰るか)
日課のようになっていたので、走ることが嫌ではなくなっていた。
帰宅経路で、一番寂しい場所に来た。
街灯はあるのだが、家が立ち並ぶ一本道なのだ。
ふと、前を見ると、アイツが道を塞いでいた。
(ついに、か)
コイツは、痺れを切らしたようだ。
オレは少しずつ、ゆっくりと、後退した。
(駅に戻って、タクシーに乗って帰るか、警察署に逃げ込むか)
と、思っていたら、アイツはオレに話しかけてきた。
「待ってください!逃げないで!ごめんなさい…」
アイツはどうやら女性のようだ。
いや、油断はできない、何をするのかわかったもんじゃない。
オレは、油断はせず、相手の話を聞くことにした。
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