五月雨を集めてはやし最上川

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「綺麗だって…どうしよう…」 ウェンディは榮禊の言葉に反応していた。 「お世辞よ。真に受けない」 緊張の糸が切れたアヤちゃんは 突っ込みもいつも通りだった。 「羽生の事が、榮禊の耳に 入っているのかよ…」 榮禊は確かに「羽生」の名前を 口にした。パトロールと同時に 羽生譲を探しているのだろうか? 「何か仕出かしたのかな?羽生は」 「ある意味ちょっとした有名人だからね」 「ナル君。凛ちゃんが危ないんじゃあ 無いですかね?榮禊は、羽生を掴まえて 警察の代わりに制裁を与えるのでは?」 「なんで凛ちゃんが危ないの??」 話したとしても信じてくれそうにない アヤちゃんが入ってきた。 「ぃゃぃゃ、何でも無いよ。 こっちの話だよ。気にしないで…」 「やだ。気になる!」 アヤちゃんは意外に頑固な部分もある。 腐れ縁の中では、どんな事でも 「隠し事はナシ」というルールが あるので「性」の悩みでない限りは 共有するのが慣例となっている。 「アヤが駄目でもオレなら良いだろ?」 遊鬼は「性」の悩みでも共有出来るので 興味有りげに話に混ざってくる。 「…ちっ。隠すのはナシだから いつもの公園で話すよ…」
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