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「もうすぐ、発表だな。」
「はい。」
「絵画は、趣味で続けたらいい。彼女にも後腐れないようにな。」
「解っています。」
「本当は、お前が素直に帰るなら彼女との交際は認めてやっても良かったんだがな・・・お前がごねるからだ。」
「すみません。」
「まあ、これからのお前の行動次第で彼女の人生も変わる。解ったな。」
「はい。」
「じゃあ今日は、会社を案内する。」
「解りました。」
自分を殺し愛する人の道が閉ざされないように努力するしかなかった。
「(こんな守り方しか出来なくてごめんね、月依さん。)」
気持ち悪い空気の中車が発進した。
》 》
人の心の中は、覗けない。
もしも覗けたのなら彼の苦悩にも気が付いて私が手を離したのに。
私は、あの頃彼の全てを信じ自分の気持ちに素直になっていた。
だからこそ落とし穴と私の神様の不平等さを忘れていたのだ。
《 《
「燵夜くん。ただいま。」
早く上がれたことでいつもより早く帰宅した。
「あら、まだ帰ってないんだ。」
部屋は、静まり返っていた。
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