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作業場を覗いてみた。
「片付いてる・・・。」
画材も何もかもが綺麗に片付いていた。元の客間にきちんと戻っていた。
「作品を仕上げたら片付けるタイプなのね。」
整理整頓の上手さに感心した。
「はい、はーい。」
感心しているとスマホが震える。
「月依さん、遅くなってごめん。」
「大丈夫よ。」
申し訳なさがヒシヒシと伝わる電話だった。
「今夜は、帰れない。」
「そう。私も残業だから大丈夫。」
気を遣わせない為に嘘をついた。
「そうだったんだ。じゃあまた明日ね。」
「ええ、またね。」
業務連絡のような寂しい電話を切りソファーに座り込んだ。
「月依さん・・・ごめんね。やることがあるんだ。」
灯りの見える部屋を見上げながら謝った。
優しい嘘を付いてくれた大切な人の為にあらゆる手を打たなくてはならない。
別れを告げるまでもう時間がない。
「マスターお久しぶりです。」
「本当にな。」
にっこり笑い出迎える。
「今日は、大切な話しがあって来ました。」
「ん?」
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