◆10◆ 忍び寄る別れの魔の手

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     》 》  私の世界は、愛などない。  誰とも居ないことが私の人生なのだと今なら解るし考えられる。  愛が私を壊して蝕み終わらせていくのなら…わたしは、そのまま終わってしまいたい。 《 《  長雨が続き月依は、体調を崩していた。 「月依さん、俺今夜帰ろうか?」  燵夜は、父の命令で地方工場視察のお供をさせられていた。  もちろん大学の集まりだと告げていたが・・・。 「大丈夫。熱も薬で下がったしマスターが世話を焼きに来てくれてるから。」  お粥をいそいそ作る叔父の後ろ姿を見ながら答えた。 「そう、なら安心だね。」 「だから、雨が落ち着いたらゆっくり安全に帰って来て。」 「解った。月依さんも無理しないでね。」 「解った。」  電話を切ったものの相手が心配でならなかった。 「月依、少し食べておけ。」  ベッドにグッタリと倒れるように寝ている姪に声を掛ける。 「後でね。」 「お前病院からの検査結果もらってないのか?」 「まだ連絡ない。大したことじゃないないから連絡漏れしてるんじゃない?」    
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