◇11◇ 発表 ~なごり雪~

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    》 》  思えば何もかもが順調すぎた。  彼のお父さんの介入が少なすぎた。しつこくやって来たのに私が断ってから1度も圧力が掛からなかった。  気が付くべきだった。  彼が苦しんでいたことを。  私は、見て見ぬふりをしていたんだろうか。  《 《  病院に着くと看護師自ら出迎えてくれた。 「どうぞ。」  診察室を過ぎ少し奥にある〝応接室〟と書かれた部屋に通された。 「若狭さん。先日検査結果が出ました。」 「はい。」 「現在頭痛は、どうですか?」 「たまにあります。」 「鈍痛ですか?」 「はい、どちらかと言えば。」 「そうですか。市販薬で治まりますか?」 「効かない時もありますけど耐性が付いたんだと思います。」 「意識を失いそうになるときはありますか?」 「たまに頭痛が酷くて。薬が効かないと立てなくもなります。でもデスクワークが多いので苦にはなりませんけど。」 「薬が効かないときはどうしていますか?」 「2時間経ったらまた市販薬を飲んでしまいます。仕事にならないので。」 「その頭痛は、最近ですか?」   
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