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「気が付きましたか?」
声を掛けられ反射的に頷いた。痛む頭を押さえながら看護師に手を貸してもらい起き上がる。
「いま・・・何時ですか?」
時間の感覚が解らない。
「運ばれてから1日経ってます。」
「そうですか・・・。」
「先生を呼びますね。お話しがあるそうです。」
「解りました。」
起こしてもらった身背もたれに身体を預ける。
「・・・無断欠勤。」
気が付いて笑いが込み上げてきた。
「若狭さん。」
「先生・・・。頭痛が、治まりません。」
「でしょうね。」
「治療法も無いんですから、痛み止め・・・強いやつ下さい。」
「解りますが強い痛み止めを服用すると今よりも意識が混濁します。」
「混濁したってかまいません。この頭痛を止めて。」
「落ち着いて。今後のことを話し合いましょう。」
制止されて深呼吸を一つする。
「緩和治療が1番だと思います。手術をする選択肢もありますがかなり難しい手術ですご家族とよく話し合って決めて下さい。」
「手術は、しません。緩和治療にします。」
選択肢など必要なかった。
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