◇9◇ 絵画コンクール

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    地上に向かって階段を駆ける。 「・・・ん。」  頭痛が酷い猛烈な吐き気と視界が歪む。 「お酒は・・・ダメだった、みたいね。」 「おい、月依。」  バーを出てすぐの所に立っているのに気が付いた。 「おーい、月依!スマホ忘れたら仕事にならんだろう。」  声を掛けるが振り向かない。 「痛っ・・・・・・」 「月依っ!!」  目の前で倒れた姪に駆け寄る。 「月依、どうした?」 「あ、たま・・・痛い。」 「馬鹿、だから仕事も程々にしろって言ったのに。今、救急車呼んでやる。」 「待って・・・燵夜、くんには言わないで。」 「解った。」  すぐに救急車を要請した。  》 》  世界は、不平等だ。  そう思っていた私の世界にも私を心配してくれる人たちは居る。  《 《  白い天井が出迎える。 「若狭さん、気が付きましたか?」  横には、白衣の天使が居た。 「はい。どれくらい寝てました?」 「5時間ほどですよ。」 「そうですか。」  身体のだるさはなくなっていたし頭痛もなかった。 「先生を呼んできます。」    
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