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「解りました。では、どうしていくか決めましょう。」
「先生。仕事のことがあるので少し時間を下さい。」
「はい。来院時に予約電話を入れて下さい。」
「解りました。」
医師が出て行くの待ってから社長と上司に電話をして午後から急遽時間を作ってもらった。
「若狭さん。」
「はい。」
「何かあったらすぐに来て下さい。」
「はい。」
看護師の心配してくれる気遣いが現実を突きつけられているようで辛かった。
この先のことを考えなければいけなかった。
》 》
希望なんて要らない。
私の行く道には何も要らない。
何もなかった頃に戻るだけ。
愛も温もりも夢も希望も明日も・・・・・・
この渇望が、この飢えが、この渇きが満たされることはない。
だから、満たされないまま旅立とう。
そう決めたのだ。
誰にも縋ることなく
叫ぶことなく
ただ・・・ついていない日々だった、と笑いながら。
私の世界には、一瞬でも愛があったのだから・・・・・・。
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