◆12◆ 終わりのハジマリ

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◆12◆ 終わりのハジマリ

    全てを終わらせるまで私は、死ねない。  綺麗に後腐れなく居なくなる為に私がしなければならないことは、以外と多かった。  《 《  時間がないと悟った日に会社を辞める。 「社長、部長大変長くお世話になりました。大変急な話しで申し訳ありませんが本日限りで辞めさせて下さい。」  忙しい商社の社長と部長を呼びつけたので早く話しを終わらせたかった。 「若狭くん、一体何があった?」 「新天地で一から始めようと思います。」 「君は、女性ながらわが社の即戦力の一人なんだよ。」 「そう言って頂けて本当に有難いのですが…元婚約者が居ますので。」 「そうか・・・。残念だね。」 「今までお疲れ様。」  社長と部長が本当に残念がってくれて本当に必要とされる場所が自分にもあったのだと解って嬉しかった。 「引き留めて頂きありがとうございます。長くお世話になりました。」 「頑張ってね。」  優しい笑顔を向けてくれる社長に深々と頭を下げて部屋を出た。  荷物とデスクの片付けは、後日会社が全休のときにさせてもらえることになった。   
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