◆12◆ 終わりのハジマリ

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    本にしおりを挟んで冷たく答えた。 「来て、くれたんだ。」 「あなたのだんなが煩いからよ。」 「お姉ちゃん・・・私、ちゃんと謝りたくて・・・・・・。」  身体を起こすことが出来ないながら頭を下げて来た。 「あなたの自己満足に付き合えって言うの?」  嫌味を返す。 「ごめんなさい。私が悠葵さんを誘惑しました。」 「私の物が欲しかったの?」 「家を出て世間の中で生きているお姉ちゃんが羨ましかった。私は、いつもお父さんとお母さんの目の手の届く所を歩くだけ。  自分で世界を変えてみたかった。お姉ちゃんから奪おうなんて思ってなかった・・・のに・・・・・・。」 「出逢って、しまった・・・って?」 「一度で良かったの・・・。」 「でも、確信犯よ。デキルって解ってたわよね。」  まどろっこしい言い訳をいつまでも訊く気は、無い。 「・・・はい。」 「なら、謝らないで。瑠々、今日は最後だから逢いに来たの。」  真剣に伝えた。 「最後・・・?」 「もう2度と逢わない。連絡もしない。なぜか解るわね?」  ハッキリと告げた。 「なぜ・・・?」   
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