◆12◆ 終わりのハジマリ

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   「若狭さん。元気に暮らしましょう。」  事情を深く訊かない医師の配慮が嬉しかった。 「2週に1度は、通院するように。」 「はい。」 「今の体調は、どうかな?」 「引っ越しで忙しかったので少し疲れてます。」 「そう。じゃあ点滴して帰ろうかな。」 「解りました。」  直ぐ奥に案内されて点滴をしてもらう。 「若狭さんいつまでも来て下さいね。」 「ありがとうございます。」  優しい医師と看護師の姿にホッとして眠りに落ちた。  すでに携帯電話も解約した為誰からの連絡が本当に無い。 「君の患者を受け入れたよ。悪化が著しくなったらそっちに送るから頼むぞ。」 「解っています。どうか、宜しくお願いします。」 「任せておけ。」  電話を切った。 「さて、クセのあるお嬢さんだな。」  カーテンを開けて寝顔を見る。  》 》  終わったがまた、始まる。  私の世界が終わるまでまだまだ何が待っているだろう。  《 《 「・・・すみません。すっかり眠ってしまいました。」 「平気だよ。」 「帰ります。」   
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