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俺はどうやら思い違いをしていたようだ。 本当に恐ろしいものは人なんかではないということ。 人間がどれだけ抗おうとも自然というものには勝てないということを。 つまりは、どういう訳か。 単純な話、迷ったのだ。 来た道を戻るには山賊とバッタリ会ってしまうリスクがあったため俺は森の中を進み続けた。 今はまだ明るくて良いのだが暗くなる前には森を抜けたいところだ。 しかし、小一時間歩き続けてはいるが、同じような所ばかりで気分が滅入ってきた。 太陽の位置そしてお腹の減り具合からしても昼を過ぎたくらいというのは判断できるが如何せん道が分からない。 山道に出ることができない。 一際、高い木があったので場所を把握するためにも登ってみることにした。 「後ろは大火事、前は洪水だっけ?」 来た道の方向を見るとまだ燃え続けていた。 それどころか森の中にある大きめの家が燃えていた。 そんなことよりも! 前方には湖があった。 喉が乾いていたのでそこに向かうことにした。 そこに女性が見えたからではなく、ましてや、水浴びをしていたのを目撃したからではない。 山賊との一戦、さらには山の中を歩き続けて喉が乾いたのだ。 それこそカラカラに。 俺は生唾を飲み、湖の方向へと歩き出した。 おやおや、湖には先客が居るようだ。 もしかしたら山賊の仲間かもしれない。 確認するためにも俺は茂みから先客を見つめる。 その人、女性は一糸纏わぬ姿で水浴びをしていた。 生きてて良かった。 神様ありがとう。 そしてその女性に付いている2つの果実は今まで見たことのある女性のそれと比較出来ないくらいに大きかった。 あんな大きいのエロ本でしか見たことがない。 実在したんだ! 神はちゃんと人に与えていたんだ! 神様ありがとう。 無心論者だった俺は今日から神を信じることにした。
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