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「くそ!あの野郎山火事起こして逃げやがった。姉御になんて報告すれば...」 声のする方を見ると先程の山賊たちが女性の方へと向かっていた。 しまった。 俺はどれだけの時間堪能していたのだろう。 後悔できねぇ。 まてよ、女性が危ない。 このまま山賊たちが歩いていくと女性の所に行ってしまう。 ここは助けねば! 立ち上がろとして、ふと思い付く。 襲われてから助けた方が良いのではないかと。その方が後の展開に期待が出来るのではないかと。 もう少し様子を見るためにしゃがみ直す。 決して立ち上がれなくなったためではない。 山賊は女性を見つけたようで、そちらに向かっていく。 何か話掛けているようだ。 女性は湖から上がると山賊の方へと向かっていく。 どうやら知り合いのようだ。 もしかして山賊の一味か? 危うく声を掛けるところだった。 ここはバレないように退散しよう。 最後に服を着てしまう前に女性の姿を目に焼き付けよう。 そういえば顔を確認してなかったな。 良いものを見させてもらって何だが、顔を確認するというのは一種の賭けである。 もしかしたら想像に任せた方が良いのかもしれない。 見てしまったら最後、夢をぶち壊されるかもしれない。 悩んだ挙げ句、顔を見ることにした。 好奇心には勝てなかった。 結果としては見て良かった。 天は二物を与えていたのだ。 少し薄めの唇、スラッとした高い鼻、つり目気味だか目が大きいためにキツさは感じられなかった。 そしてこの体。 山賊などせずにモデルでもすれば良いのに。 写真集買います! 最後にもう一度、顔を拝んで帰ろう。 女性はこちらを見て微笑む。 うむ。可愛い。好きです。
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