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ん? 女性はいつの間にか手に持っていたナイフをこちらに向かって投合した。 危な! 「そんなところに隠れてないで出てきたらどうだい?」 バレてる? 覗いてたのバレてる? うわ!恥ずかし! 「出てこないと殺しちゃうかもしれないよ!」 女性はこちらに手を翳す。 何をする気だ? 女性の長い髪の毛がふわりと上がる。 そんなことよりも! 2つの果実、うん、おっぱいだね。 それが重力に逆らおうと上下に揺れる。 なんて神々しいんだ! 「鎌鼬<かまいたち>!」 女性がそう唱えると見えない刃が俺の隠れていた茂みを刈り取っていく。 目に魔力を流していなければ避けることができなかった。 これは風の魔法、魔術か。 「あれ?殺っちゃったかな?」 死んだことにすれば皆去っていくのではないか。 「じゃあ、も一発!」 大人しく出ることにした。 「へぇ、殺すつもりはなかったけど、無傷だとは思わなかった。」 殺すつもりがない? ここは道に迷ったフリ、いや、迷ってたんだけど無関係な人を装えば見逃してもらえるのかもしれない。 「こいつです!さっきの魔法使い!」 山賊の1人が声を荒らげる。 終わった。 いや、まて、狙いはエミリアの方なはずだ。 無関係な事を証明すれば 「あんたがうちのやつらに1人で立ち向かったやつか。面白い。やり合おうじゃないか!」 ダメだったようだ。 女性はさっき投げてきたナイフと同じナイフを構える。 その状態でどこに隠してんだ? どちらにせよ、終わった。 なら最後にやることは1つだ。 死ぬ前に己が眼にその姿を焼き付ける! 「良い目付きじゃないか。いくよ!」 女性はナイフを片手にこちらに向かってくる。 おかしい。 目に魔力を込めているはずなの女性の走ってくる速度が落ちない。 手を動かそうとして気付く。 彼女は普通に向かってくるのに対して自分の動きが遅かった。 これは女性の速度がものすごく早いってことだ。 血飛沫が舞う。 「あんた、本当に面白いね。まさか、この一撃が防がれるとは思ってもなかったよ。」 俺は寸でのところで木刀でナイフを受け止めた。
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