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「あっはは!飲みっぷりも良いね。ますます気に入ったよ。そういえば自己紹介してなかったね。あたいはルーン。あんたは?」 どうやら気に入られたようだ。 やれやれ、モテる男はツラいな。 結婚しよう。 と、口走りそうになったが、聞かれたのは名前だと気付き自己紹介をする。 どうやら左右からの圧力は酔いも吹き飛ばしてくれるらしい。 「良い名前だね。もう一本どうだい?」 完全に惚れた。 そして酔いも覚めたことだし、貰うことにした。 話してみてルーンさんは28歳でこの村は山賊の村ではないらしい。 そして彼女たちも山賊というわけではないみたいだ。 訳があって山賊まがいのようなことをしているらしい。 28歳か。 歳上なんて最高じゃないですか! 「その訳って言うのは?」 普段ならあまりそういう話には立ち入らないが、酔っていたせいもあり、もしかしたら未来の嫁さんになるかもしれないとも思い、少し踏みいってみた。 「それは… 「姉御!本当にこんな奴に話すんですかい!?こんな弱そうなやつに!?」 俺の嫁が心を開こうとしてるのに横に座っていた男が口を出してきた。 少なくともお前だけは殴り飛ばしてるからな? とは、この場では言えないけど。 「あんたはその弱そうなやつに負けたんだろ?」 彼女が俺の代わりに言ってくれた。 流石、俺の嫁。 「それはこいつの魔武器の能力が卑怯過ぎて…」 魔武器じゃねっての。 「へぇー、あんたは魔武器の能力でやられたってんだね。じゃあ、魔武器の能力も使われずに負けたあたいは最弱ってことかい?」 「違っ、それは…」 男は黙ってしまった。 ざまぁ。 そしてルーンさん。いや、ルーン。愛してるよ。 酒が美味い。 「何か食べるか?」 いつの間にかカウンターに立っていた男に話し掛けられる。 店の人か? そういえば昼食を抜いていたなと思いメニューを見る。
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