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「ま、飲みたい気分にもなるわな」 え?俺、旦那相手に嫁を好きになって勝手にフラれてやけ酒始めたこと言ったの? 恥ずかし過ぎる! もしかして、その頭の怪我の原因は俺? 最低だ、俺。 「俺らも今の軍のやり方には不満を感じてる。だから抜け出して反乱軍をしてるんだがなって、昨日も言ったな」 何の話? 反乱軍?山賊じゃなくて? 頭て呼ばれてるよね? 反乱軍は義兄弟の盃とか交わさないよね? 完全に山賊だよね? 「でも、本当に今の軍には不穏な空気が流れてる。今年になってから魔法使い徴兵制度を復活させやがった」 だから何の話? でも、良かった。 ルーンさんに惚れてたこと話してない! 「王国は魔法使いの徴兵を完全に強制にしようとしているらしい。今は内部の反発もあるから志願者のみに留まっているが、ある程度の実力のあるやつや魔力の保有量の多い者はほぼ強制のようだ。表向きは戦力の強化だとか言っているが実際はどうだか。中にはお金で魔法使いを買い取ったりしているらしいぞ」 それ俺じゃね? 「拐われてるって話もあるくらいだ」 売られるのと拐われるのはどっちが心に傷を追わないのだろう。 どっちでも良いさ。 必ず復讐してやる。 俺の様子を察したのかジエンはこう言ってくれた。 「お前の憤りも分かる。そんなのは非人道的過ぎる」 俺の親父がな。 「お前程の魔法使いだ。自ら軍に志願して内部を調べようとしてたんだろ?軍人希望なら高校を卒業してからすぐ軍学校に入るからな。それとも別の理由が?」 何て答えよう。 そうなんだ!実は俺も売られたんだ!てへ。 ダメだ。言える空気じゃない。 「俺は妹を探してるんだ」 嘘では、ない。 「まさか、拐われたのか?」 無言で顔を伏せる。 「そうか…。くそ!今すぐ軍に攻め込むぞ!」 えぇー。 妹は旅行中だよー。 まずい流れだ。 誰か助けてくれ!
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