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さて、店を出たは良いものの、俺は何をやり遂げれば良いのだろう。 全く思い出せないし、やはり人妻には興味は沸かないなと思い直したので家に帰ることにした。 俺のことを兄貴と呼んでくるやつに一番近くの馬車停の場所を聞いた。 「兄貴!俺も着いてくっス!」 「いや、お前には見込みがある。お前は残って頭であるジエンとルーンさんを守れ」 と断っておいた。 着いてこられたら逃げられないじゃないか。 馬車停に着くと誰も居なかったが少し経つと学生やら老人やらが数人現れた。 待っている間に女子学生を見る。 歳上も良いけど歳下も良いよね! でも、学生は見て楽しむものだよね! 女子学生はこちらを見ると学生同士でヒソヒソと話し出した。 あながち俺のことを格好良いだとか好きだとか話し合ってるのだろう。 モテる男はツラい。 失恋の方がもっとツラい。 数分後、王都行きの馬車が来て女子学生たちは乗って行ってしまった。 彼女たちに少しの勇気があれば俺に声を掛けてきたであろう。 そんなことを考えていたら俺の村へと向かう馬車が来たので乗ることにした。 やはり王都から離れていく馬車には乗客も少なく9人乗りの馬車に俺と老人の2人だけしか乗っていなかった。 何度か停留所を停まったが誰も乗ってくることはなかった。 馬の交換のために街へ寄ったのだが、交換に時間が掛かるため、ここまでの運賃を支払い降りた。 街で何か食べていこうかとも思ったが二日酔いが治りきっていないため、そのまま故郷の村へと歩くことにした。 この街から村へは30分くらいで辿り着けるのだが、なにやらすれ違う人たちは俺の顔を見ると何やら隣を歩いている人とヒソヒソと話していた。 確実にモテ期ですね。 失恋したばかりだが、モテ期がきたのなら、良しとしよう。 故郷の村に着いた俺が見たものは驚愕のものだった。 俺の家があった場所に家は無かったのだ。 代わりにあったのは"売地"の看板だった。
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