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魔法使い徴兵制度 俺たちの国は戦争を行っていた。 そう、あくまでも過去形なのだ。 大小様々な国がひしめき合うこの大陸のなかでも、一際大きく軍事国家でもある帝国。 帝国は侵攻を重ねて領土を拡大していった。 王国は俺の住んでいる村が含まれる国や他の国々と連盟し連合軍を作り上げて帝国と対抗することとなった。 それにより帝国軍と連合軍の戦力は均衡し、帝国の侵攻を食い止めることに成功したが、前線では毎日のように戦火が上がった。 そんな日々が続いたある日おびただしい数の化け物が現れた。 最初は帝国からの生物兵器かと思われていたが、化け物たちは前線にいる両軍の兵士達を食い尽くしていった。 化け物の数は多く、国関係なく人々を襲ったため、連合軍、帝国ともに戦争どころではなくなり化け物に対して共闘することを両国の間で取り決めた。 しかし、化け物は切っても再生する特性を持っていたため討伐は困難を極めた。 気が付けば戦場だった土地は化け物の住み家となってしまっていた。 化け物を捕らえてることに成功した両国は化け物に対して実験を行い生態を調べることにした。 研究の結果、化け物の対処法が二つ見つかった。 一つは何度も殺すこと。 何度も殺すというのには語弊があるかもしれないが、頭部を切り落としても死なない化け物たちには丁度良い言い回しだと思われる。 再生速度の早い化け物たちでも何度も傷を負ううちに再生できなくなっていくことが分かったのだ。 もう一つは魔法による損傷は再生しないということだ。 魔法でなら対抗できると知った両軍は軍に所属している魔法使いの大半を投入。 魔物の撃退し、大半の土地を化け物から奪還することに成功した。 だが、代償も大きかった。 魔法使いのほとんどを失ってしまったのだ。 元から数の少ない魔法を使える兵士を失った両国は魔法が使える者、使える見込みのある者を集めて、魔物に備えて戦えるまで育成させることに決めたのだった。 これが魔法使い徴兵制度。 ------- 今から40年前に廃止された制度である。
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