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「ガイドの分際で、席に座ったまま迎えるなんて失礼じゃない。王都のものたちはガイドの躾もできてないのかしら」 ...ん?ガイド? 「いや、彼も徴兵制度に協力してくれた者なんだよ」 もっと早く言ってほしかったよ。 立ち上がっちゃったよ。 「え?このオッサンが?そんな格好してるからガイドかと思ったじゃない。私服なのそれ?ダサ!」 オッサンて、まだ24歳だよ。学生から見たらオッサンか?オッサンだな。 格好については何も言えないが。 俺でもそう思う。 まぁ、子供相手にキレる俺でもない。 大人な対応でもしてやるか。 威圧感にビビって立ち上がったことを誤魔化すためにこのまま自己紹介を始める。 握手を求めたところで女はスルーしてさっきまで俺が座っていた窓側の席へと座った。 まぁ、大人な俺は気にせずに席に着くのだがね。 馬車が動き出したところで、気まずかったのだろう男が女に話しかけていた。 女は素っ気ないが質問には答えていた。 どこぞの令嬢らしい。 通りで高飛車なわけだ。 盗み聞きをする趣味は俺にはないので眠りに着くことにした。 目を開けると馬車の揺れが止まっていた。 着いたのかと思ったが、どうやら川を渡す橋が工事中らしい。 迂回路は山越えとなり日が暮れてしまう為、近隣の街で泊まることになった。 男が宿屋の店主に話をし、部屋を借りることとなった。 「なぁ、こっちに来るときには橋は工事してなかったんだろ?帰るまで止めておいてもらえばもらえば良かっただろう。要領悪ぃな」 しまった。余計なことまで口走った。 まぁ、いいか。迎えに来る奴なんて下っ端だろう。 「それが、どうやら橋は破壊されたみたいなんだよ。最近、反乱軍の動きが活発でね」 反乱軍なんてあるのかよ。 物騒すぎるだろ、都会。 しかし、反乱軍にはお礼を言わなくてはならないな。 これは逃げ出すチャンスだ。 このチャンスを得た俺は宿での食事を終え、みんなが寝静まるのを待つことにした。 部屋は一人部屋をあてがわれた為、やることは一つしかなかった。
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