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「花火、
きれいだね」
車の左窓から見える、
次々と打ち上げられる花火を観て
優が呟く。
「えっ う うん。
そうだね」
慌ててを相槌を打ったけれど、
実は花火どころじゃなかった。
優に見とれていたから・・・。
花火を楽しそうに観ている横顔。
ストレートの長い髪。
細く白い二の腕。
ワンピースのボタンが少し窮屈そうな胸の膨らみ。
スラリと伸びた脚。
彼女の全てに見とれていた。
「えっ? 花火観てなかったの?」
急に振り向くと悪戯っぽい笑顔で言った。
暗い車内が彼女の笑顔で一瞬、
明るくなった気がした。
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